あなたは「地域おこし協力隊」って知っていますか?
地域おこし協力隊の概要
2009年に総務省によって制度化されました。
2014年度には全国444の自治体で1,511人の隊員が活躍しています。
地方自治体が募集を行い、地域おこしや地域の暮らし等に興味のある都市部の住民を受け入れて地域おこし協力隊員として委嘱します。 隊員には地域ブランド化や地場産品の開発・販売・プロモーション、都市住民の移住・交流の支援、農林水産業への従事、住民生活の維持の為の支援などの「地域協力活動」に従事してもらい、併せてその定住・定着を図ります。
人口減少や高齢化の進行が深刻な課題になっている「地方」に、都市部から人材を受け入れて、定住人口の増加や地域力の向上を目指していく仕組みです。
私が初めて「地域おこし協力隊」という言葉を知ったのは、イケダハヤトさんのブログ内で紹介されているのを見て知りました。

ただ、仕事をしている時はそんなことも忘れていましたが、休職してから、

自分のやりたいことって、「自然体験」とか「コミュニティづくり」じゃん。というか、「山村留学」に関わりたいんじゃん。
それって、「地域おこし協力隊」ならできそうなんじゃないかな?
すぐ調べてみました。
地域を変えていく新しい力 地域おこし協力隊のサイトの「募集情報」を探すページから、

検索した結果、なんと、ぴったりな募集要項が見つかりました!!
しかも広島県内!!

https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search/detail/10626

なになに。
募集対象 (求める能力・特性)
- 青少年教育,とりわけ自然体験活動や農山村生活文化体験活動の指導に興 味・関心のある人 。
- 山村留学に関心があり,コミュニティビジネスやNPOといった事業の立ち上げに 意欲のある人。※神石高原町地域おこし協力隊募集要項より
まさに、自分じゃないか!!!
やってみたい!!
速攻でメールして、お話を聞く機会を作っていただきました。
目次
神石高原町ってどんなとこ?
神石高原町は広島県の東部に位置する町で、人口約10000人の町です。
元は小さな村がたくさん集まっていた地域なのですが、昭和34年に油木町・神石町・豊松村・三和町の4町村の体制になり、平成16年11月5日、まさしく「平成の大合併」時に、その4町村が合併して「神石高原町」が誕生しました。
神石高原町民憲章(神石高原町ホームページより)
町長あいさつ
「誰もが挑戦できるまち神石高原町の創造」を目指し,町民の方々と意見交換を行ってきました。「挑戦」と言うと難しく聞こえますが,誰もが持っている目標や実現したいことに向かって,勇気を出して一歩踏み出すことが「挑戦」と捉えています。「よし,やるぞ」「やってみよう」という気概を持った方が増えていけば,神石高原町は活性化すると信じています。その挑戦の機会を増やすこと,その挑戦を皆で応援する仕組みを作るのが町長としての役目だと思っています。
また,神石高原町は人口減少,過疎化,少子高齢化など多くの課題を抱えています。しかし,役場職員はもとより町民の方々と力を合わせ,思いを一つにし,力を尽くせば必ず解決の糸口が掴めると信じています。
私は今,55歳でまだまだ至らないところがありますが,「本当に住んでよかったと思われる神石高原町」を創るために,町民の皆さんと共に一生懸命頑張ります。どうぞお力添えをお願い致します。
神石高原町長 入江 嘉則
神石高原町ホームページ「町長あいさつ」より(※一部省略)

やっぱり、神石高原町もほかの地方と同じように、人口減少、過疎化、少子高齢化が問題なんだな
この時点で結構「神石高原町」に心惹かれていました。

なになに。
神石高原町の特産品
トマトやぶどうなどの青果,キノコ,全国各地で評価の高い広島県産神石牛といった素材そのものから,味噌,アイス,ジャムに,地鶏や神石産の野菜を使用しカレーなどのレトルト・加工食品,手づくりお菓子まで,まさに名産品のパラダイスです。
神石牛!!和牛!!!
めっちゃいいじゃん!食べたい!!!
すごく「神石高原町」に行くのが楽しみになりました(笑)
実際に「神石高原町」に行ってお話を聞いてきた
車で「神石高原町」に行ってきました。私が受けたい「地域おこし協力隊」の地区は、神石高原町の中でも、豊松地区という地域で、 1,298 人(560 世帯)が暮らす小さな地区です。
10時の約束だったのですが、わくわくして30分ぐらい早く現地についてしまい(笑)私は駐車所の車の中で10分前ぐらいまで待とうとしました。
そうしたら、

どうぞどうぞ、中に入って下さい。時間まで車の中にいたんじゃ寒いでしょう。

(優しいなあ~)
ちょうど雨が降りそうな天気だったので、そのあたたかい対応がすごく嬉しかったです(*^^*)
結局9時40分ぐらいから話し合いは始まりました。
現地の方と濃~い話し合い
話し合いは全員で5人で行われました。
神石高原町まちづくり推進課の方が2名、
豊松協働支援センターの方が2名、
そして私。
みなさんから名刺をいただいて、


予想外の展開で、めちゃくちゃ緊張しました(笑)
最初は、神石高原町まちづくり推進課の方から、
- 「地域おこし協力隊」とはそもそもどういうものなのか
- 神石高原町が目指していることは何なのか
- 募集要項の情報の詳しい説明
など「神石高原町」に「地域おこし協力隊」としてくるために、必要な情報を聞かせていただきました。
今、神石高原町内には5つの小学校があるのですが、昔はもっと多くあったものが人口減少に伴って、統廃合されてきて、現在は神石小学校・油木小学校・豊松小学校・三和小学校・来見小学校の5校のみとなったそうです。
その中の、「豊松小学校」の児童数が現在32名で来年6年生が卒業すると20名台にまで人数が減り、「廃校」の危機なのだそう。

学校があるからこそ、子育て世代の人が暮らせるんだ。
学校っていうのは、町のコミュニティづくりの大きな役割を担っていて、「山村留学」の立ちあげも、「小学校存続」のためであり、「定住者の確保」につなげていくって意識が必要で、大事なポイントです。
今まで先生してる間は、当たり前のように子どもたちが毎日学校に来て、保護者の方たちもその地域で仕事をしてる人が多くて、それが「当たり前」って思っていたのですが、「地域の存続」のために、まず「学校がある」っていう環境そのものがめちゃくちゃ重要だなんて考えたこともありませんでした。
一歩外にでたら、自分の「当たり前」は全然「当たり前じゃない」。
自分が育った環境や働いていた環境って実はすごくありがたい環境だったんだ。
そんなことを思いました。

地域の人の1番の望みは「この地域に定住・定着してくれる人が増えること」だからね。

自分の思い通りにやるのではなく、「地域の方」ありきの活動なんだっていうのがすごく伝わりました。
そりゃそうですよね。お金かけて、人材集めて、「地域おこし」を目指しているんだから、本気で「地域のため」って思えることしないと、地域の人はがっかりしますよね。
私の想いとしては、
- 「山村留学」の立ち上げに関わりたい。
- 地域の子どもたちもひっくるめて「自然体験活動」や「農山村生活文化体験」ができる場所をつくりたい。
- 「公教育」と「外部」がつながれるような活動をしたい。
- 「LGBT」に関わる活動をしたい(定住者増加にも関与できそう)
- どんな人もウェルカムな「学び場」・「語り場」・「遊び場」の3拍子がそろうコミュニティを作りたい。
ということを伝えました。
最近自分が考えていたことを、だだだだ!!!と語らせてもらっていると、豊松協働支援センターの方が、なんと私が以前ブログに書いた記事を印刷して読んで下さっていました!!!

でも、こんな風に外部の人とつながって、情報を知ろうとする姿勢は「地域おこし協力隊」で必要な力ですし、自分の知識や経験をフルに生かしてもらいながら、私たちと共に頑張ってもらえる人が必要なんです。
私はまだまだ勉強不足ですし、分からないこともたくさんあるのですが、力を貸してくださる人と一緒に「豊松」のために頑張っていきたいと思っています。
もう、感動しすぎて絶句でした。
どう見ても、私よりも知識や経験が豊富で役場の中でも偉い役職のついているような人生の大先輩が、こんな小娘のブログの記事を読んで「知らなかった」と言えること、そして「私はまだまだ勉強不足」、「力を貸してほしい」ということを、こんなに真摯に伝えて下さる姿を生まれて初めて見ました。

本当にそう思いました。
そんな会話のなか、ずっと黙っている方がいらしたのですが、話を振られた瞬間、

君は先生何年目?ご両親は?家族は?
…僕は、先生になりたくてもなれなかった身なんだ。今のご時世、先生になりたくてもなれない人もいる中で、君は先生になったんだ。ご両親も君のために、お金のことや将来を見越してのことをたくさんして下さっていただろうし、心配していると思う。僕も親だからその心配がどうしてもあるんだ。
「地域おこし協力隊」は任期があるし、任期が切れたらお金は入らない。それまでに自分で稼げるようにしなきゃいけないプレッシャーも強い。副業しながら活動するのは思った以上にハードだし、給料や待遇だって先生のほうがいい。
経験も3年目で、今の学校しか知らない状態じゃなくて、他の学校や学校内部のことをもっと知っていくのもすごく大事だと思う。学校の先生じゃないとできないことってたくさんあるんだ。君は休職中でまだ辞めていないんだから、内部でできることにも目を向けられるんだ。
大規模校と小規模校じゃ内部事情も全然違うし、君がやりたいようなことを学校現場にいながらしている面白い先生もいる。学校現場でももっと学べることがあるんだよ。
「地域おこし協力隊」に興味をもってくれているのは嬉しいけど、君の人生がかかってるんだから、本当に慎重に考えてほしい。
こんな感じで、本当に私のために、ものすごく熱い本心を伝えて下さいました。
普通、人が欲しかったら「ウェルカム~」って雰囲気で、地域のいいところや活動の面白いところをたくさん伝えがちだと思うのですが、渡邉さんは「今の私の立場」や「両親や家族」のことも含めて、「私のために考えた本音」を伝えて下さっているのが分かって、すごく言葉が突き刺さりました。
他にも
- 田舎だからお金かからないって言われるけど冬の燃料費はめっちゃかかる。
- プライバシーはほぼない。どこで何してるかすぐみんなに伝わる。家に勝手に入ってくるような人もいる(笑)
などなど、募集要項には書いてないような裏話をたくさん教えて下さいました。
最後の方には、

と、超真剣な顔で言ってくださって、もうめちゃくちゃ嬉しかったです。
さらに最後は、卒業隊員や現隊員の方が今どこでどういう活動をしているか、全員分教えて下さり、すごくありがたかったです。


まとめ
今回は、自分の体験談を書きましたが、「地域おこし協力隊」も全国各地で色んな種類の活動が展開されているし、自治体によって「地域おこし協力隊」に求めることも違います。
私の体験が全ての「地域おこし協力隊」に当てはまるかと言ったら、それは違うと思います。
だからこそ、少しでも「気になる!」っていう活動がある人は、自分で募集要項やホームページ、SNSなどから情報を集めるのが大事です。
ですが、それだけでは1番気になる、現地の「現状」や現地の人の「想い」、その土地の「雰囲気」などは把握しきれません。
だからこそ、実際に現地に行って話をすることで、ネットだけでは伝わらないリアルな情報が手に入ります。今回私は、話をする機会を作っていただけたおかげで、新たな気づきや視点をたくさん得ることができました。
「行きたいけど、自分の住んでるところから遠いんだよな~」
って人は、現隊員や地元の方とSNSでつながって話を聞く方法もいいと思います。生の声に触れるってことが大事です。
ぜひ、「『地域おこし協力隊』って気になる~」って人は、1度現地に行ってみるのがいいですよ!ぜったい何か収穫があります!
最後に、こんな素敵な話し合いの時間を作ってくださった、神石高原町のみなさん、本当にありがとうございました!!!
「地域おこし協力隊」や「神石高原町」に興味を持たれた方は、ホームページやFacebookにぜひ遊びにいってみてください(*^^*)!
「地域おこし協力隊」ホームページ
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/
「神石高原町」ホームページ
「神石高原町 地域おこし協力隊」Facebook
https://www.facebook.com/NemousuStonekyoryokutai
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