あなたは「ヒーローズ・ジャーニー」って知ってますか?
直訳したら「英雄の旅」を意味するのですが、物語の構造の型の1つで、現在、生み出されている映画や物語の大半がこの「ヒーローズ・ジャーニー」をもとに作られています。

だって、映画とかってアクションとかSFとか恋愛ものとか、ディズニーみたいなアニメとか、とにかくジャンルがめちゃくちゃ多いのに、1つの型で作れないでしょ!!
というか、1つ1つ物語が違うから見るんじゃん
って思いますよね。
私も思ってました(笑)
でも、「ヒーローズ・ジャーニー」を知れば知るほど、ジャンルとか関係なく、いろんな映画にこの型が使われてるのが分かってきて、

「ヒーローズ・ジャーニー」使ったら、
- 映画とか物語を深く考察できる。
- 実際に文章や物語を書くときにも使える。
- 自分の人生を考える時も使える。
これって、すごいんじゃないの…!!
ってことが、分かってきました。
目次
売れる映画は「ヒーローズ・ジャーニー」でできてる
「ヒーローズ・ジャーニー」を使って物語ができている作品として、有名なのが、
- 「スター・ウォーズ」シリーズ
- 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ
- 「ハリーポッター」シリーズ
- ディズニー・ピクサー作品
- ジブリ作品
などなど、とにかく多くのハリウッド映画や人気映画・万人受けする映画には、必ずといっていいほど「ヒーローズ・ジャーニー」が使われています。
じゃあ「ヒーローズ・ジャーニー」って何なの?
私が初めて「ヒーローズ・ジャーニー」を知った本が、
「ストーリーメーカー 創作のための物語論」/大塚 英志
内容紹介
それは創作への冒瀆なのか、パンドラの箱なのか。
読むな、使え。30のQ&Aに答え、物語る。
あなたは物語る装置である。しかし、あなたはそれを鍛えることもなく、発動させることもない。30のQ&Aに徹底して答え、そして、思考することであなたの内なる「物語発生装置」を鍛え直し、再起動する、「読む」のではなく、書き込んで「使う」ための物語制作マニュアル。※本書は2008年10月にアスキー・メディアワークスより刊行された同名書籍を底本とし、書き下ろしを加え、新書化したものです。
こちらの「ストーリーメーカー 創作のための物語論」という本で知りました。
この本は、世界中にある様々な神話や物語を分析して、物語には共通する要素・流れ・パターンがあることを使い、それらを普遍的なシナリオとしてまとめた「ヒーローズ・ジャーニー」を使って、物語を書く方法が紹介されています。
本の中にある30のQ&Aに答えていくことで、誰でも物語が書けるというものです。
実際に今、私も、この30のQ&Aに答えながら、フィクションの物語を作っているのですが、
面白いぐらい、さくさく物語の軸ができます!
この本で説明されるどの物語にも共通する大きな要素としては、
- 主人公が「日常から非日常へ行って、また日常に帰る」のが大筋。
- 登場人物・キャラクターには決まった役割がある。
- ストーリーの流れは物語の構造の型でできている。
などが挙げられています。

出典:「ストーリーメーカー」より
この図には3つの物語の構造の型が示されていますが、どれもストーリの流れは同じで、
「主人公が日常から、非日常の世界へ行き、報酬を受け取って、日常の世界へ帰ってくる」というもので、

出典:「ストーリーメーカー」より
真ん中の物語の構造の型が「ヒーローズ・ジャーニー」という型です。
「ヒーローズ・ジャーニー」の構造
- 日常の世界
- 冒険への誘い
- 冒険への拒絶
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
- 仲間、敵対者/テスト
- 最も危険な場所への接近(7’複雑化)
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 再生
- 帰還
この13要素(7’を含め)でほとんどの物語が作られています。

さーちゃん
おっもしろーい!!!でも、いったいどういう意味??

「アナと雪の女王」を「ヒーローズ・ジャーニー」で見ると…
私、ディズニー映画が大好きなのですが、ディズニー映画のほとんどが「ヒーローズ・ジャーニー」でできているんです!
試しに、日本中で大ヒットした「アナと雪の女王」の物語の構造を「ヒーローズ・ジャーニー」で説明してみますね。
アナ雪興味ない人はごめんなさい(笑)
でも、あらすじ知らなくても、これ読んだらどんな話か分かりますよ(*^^*)
今回は「ありの~ままで~♪」なエルサ(雪の女王)を主人公としてみた「アナ雪」を説明します。
アナ雪のおもしろいところは、エルサの妹であるアナを主人公としても見ても、また違った「アナ雪のヒーローズ・ジャーニー」として読み取れるところです。
ただ、私が個人的に「エルサ」が好きなので、エルササイドで「ヒーローズ・ジャーニー」を説明します(笑)また、別の記事で「アナサイド」は書こうと思います。
アナ雪 エルササイド「ヒーローズ・ジャーニー」
1日常の世界
アレンデールの王女エルサは、自分の氷の魔法の力を制御しようと、誰にも会わず城に閉じこもり、暮らしていた。

2冒険の誘い
自分の戴冠式の日に、父母が死んでから一度も開けてなかった門を開けて、人々を城に招く。戴冠式は魔法の力がでることなく無事に終わり、妹のアナとも久々に話す。その時、アナが隣国の王子ハンスと結婚して、この城で一緒に暮らすと言い出した。

門を開けて、人々を招くことは「冒険の始まり」であり、妹のアナから「ハンスと結婚して、この城で暮らす!!」という今までの日常が変わってしまうような「誘い」を受けていることを表しています。
3冒険の拒絶
アナとハンスの結婚を認めず、人々にパーティを終わらせて、城の門も閉じようとした。

そんな恐ろしい冒険できないわ!と言わんばかりにまたエルサはひきこもろうとします。まさに「冒険の拒絶」ですね。
4賢者との出会い
アナに【何をそんなに怖がってるの】という自分の核心をつくことを言われ、秘密にしていた魔法の力を人々の前で発揮してしまう。

5第一関門突破
人々に魔法の力を知られ、その場にはいられないと思い、城の外へ出て自分の魔法の力で雪山の方へ行く。

- 城の外にでて、ありのままでいられるようになったエルサは雪だるまのオラフを作り、自分だけの城を作った。
- そこへ、アナがやってきて、「国へ帰ろう」と言うが自分らしくいられないから帰りたくない。
- しかも、自分の魔法のせいで国中が凍っていることを知り、絶望する。
- エルサは自分の悲しみ・絶望の気持ちを氷にしてアナの心に刺す。
- マシュマロウというバケモノを作ってアナを追い出した。
- 自分を落ち着かそうとしていると、次はハンスたちがやってきて、捕まってしまう。

7最も危険な場所への接近
ハンスに国の城に連れ戻され、牢屋に入れられる。ハンスに「冬を終わらせてほしい」と頼まれる。でも、やり方がわからないエルサは、このままではまずいと身の危険を感じる。

7’複雑化
危険を感じたエルサは、牢屋から脱出し、雪山に帰ろうとする。その途中で、ハンスからアナが死んだと聞かされる。しかも自分の魔法で作った氷のせいだと聞かされ、絶望する。

8最大の危機
絶望の最中、ハンスに殺されそうになる。
そこへ、アナがやってきて、自分が身代わりになってエルサを助ける。エルサは助かったが、アナは氷になってしまう。エルサは、氷になったアナを見て、悲しみに暮れる。

9報酬
死んだと思ったアナは自分の「愛の力」で生き返る。エルサはそれを見て「愛の力」を思い出す。そして「愛の力」でエルサは自分の魔法をコントロールできるようになり、冬を終わらせる。

10帰路
もうエルサは自分が元いた国のお城に戻ってきてるので、省略。
11再生
なし。

12帰還
ありのままの自分を受け入れ、魔法の力をコントロールできるようになったエルサは、また国のお城で暮らしていくようになる。だが、もう城の門は閉じたりせず、開けっぱなしにするようになる。

このように、「ヒーローズ・ジャーニー」を使って物語を構造的に見ると、物語が何を伝えたいのかを読み取りやすくなります。エルササイドのアナ雪なら、「自分らしさの抑圧からの解放」や「セルフコントロールと愛(感情)の関係」などを伝えたいのだと思います。(あくまで、私の主観ですが(笑))
アナサイドでは別のテーマが伝えられていることが分かり、自分なりに分析してみるととても面白いです!
また、「ヒーローズ・ジャーニー」は、どの人にも共通して心に響く「成長物語・自己実現物語」なので、この物語の構造の型を知っておくだけでも、「文章を書く・プレゼンをする」というような、自分の想いを伝える時に「人の心に響く仕組み」を意識できます。
あなたの人生も「ヒーローズ・ジャーニー」でできている!
実は、「ヒーローズ・ジャーニー」を使えば、あなたの人生の現在地やこれから起こりうることも分かってきます。
その方法が分かりやすく書かれているのが、
未来記憶/池田 貴将
内容紹介
「目標を達成したい!」この本は、誰もがもつこの願望をかなえるために書かれました。
いつも強い意志をもって、目標に向かって突き進んでいるように見える人がいます。
そんな人を見て「あの人は特別だからできるんだ」と思ってはいませんか? じつは違います。
いつも目標が達成できる人は「未来記憶」を使って、「感情のデザイン力」を身につけているだけなのです。
語学の勉強、資格の取得、ダイエット、毎日の仕事……せっかく目標を立てたのに、つい面倒で先のばしをしてしまい、達成されることなく終わってしまった。
もしあなたにそんな経験があるのなら、ぜひ本書を読んでみてください。
アンソニー・ロビンズから直々に教えを受け、感謝状も受け取った著者が編み出したこの「未来記憶メソッド」を身につけられれば、あなたの望む未来はもう手の中にあるも同然です。
そして、あなたがいつでも目標を達成できるようになった時、まわりの人たちはこう言うのです。
「あなたは特別だからできるんだ」と……。

出典:未来記憶
ここでの「ヒーローズ・ジャーニー」の流れは、
- 「天命」…使命が降りてくる。
- 「旅立ち」…不慣れな旅に出る。
- 「境界線」…スキル成長で問題解決力がつく。
- 「師匠(メンター)」…本当のあなたを教えてくれる人に出会う。
- 「デーモン」…宿敵に負け、人間力のないスキルは付け焼刃だと気づく。
- 「変容」…スキルではない本当の自分の力がつく。
- 「課題終了」…デーモンを倒し、目的をはたす。
- 「帰還」…成長して故郷へ帰る。
8要素で完結されており、少し違いはありますが、
流れは「日常から非日常へ旅に出て、いろんな経験を積んでいく中で、最大の危機を経験するが、それを乗り越えられる力を身つけて危機を乗り越え、成長して日常へ帰ってくる」というもので、アナ雪で説明したものと本質的に同じです。
この8つのステージのうち、「自分は今いったいどのステージにいるのか」と考えてみると、客観的に自分の状況を見定められてとても役立ちます。
もう少し、かみくだいて説明すると、
- 「天命」とは、夢や目標を決意する時
- 「不慣れな旅」とは、夢や目標に向かって行動し始めている時期
- 「境界線」とは、行動し始めた結果、今まで知らなかった世界に足を踏み入れる時期
- 「師匠(メンター)」とは、その世界の仕組みや生き方を教えてくれたり、アドバイスをくれるものに出会う時期(知識やスキルがぐんと身につく時期でもあります。)
- 「デーモン」とは、今まで身につけた知識やスキルでは解決できないことや自分ではどうしようもないことがやってきて、危機にさらされる時期・自分と向き合い、自分を見直す時期。
- 「変容」とは、「デーモン」のときに知った自分の甘えやおごり、偏った考え方などに気づき、それらを悔い改めて自分を磨いて成長する時期
- 「課題終了」とは、自分を磨いた結果「デーモン」に打ち勝ち、夢や目標を達成する時期
- 「帰還」とは、成長して新たな自分になることで、また「新しい日常」が始まる時期
この流れが分かると、私の今の現状は、

今は、「変容」の時期だな。自分が本当は何を望んでいるのか、どうしていきたいのかが分かってきて、今までの自分に足りなかった「自己表現する勇気」や「自分に正直になる勇気」を磨いているんだなあ。
と、「ヒーローズ・ジャーニー」を使って分析することができます。
まとめ

「ヒーローズ・ジャーニー」の仕組みが分かると、
映画や物語をより深く楽しめますし、なにより、自分自身の「人生」を楽しめるようになります。
自分が、何かうまくいかなくなったら「今自分はのどの時期にいるのかな」と考えてみると状況が分析しやすいです。
そして、自分がRPGの主人公になったみたいで楽しいです。
あなたは、自分の人生の「主人公」をちゃんと生きていますか?
ほかの人の「使命」や偽物の「使命」を果たそうとしてませんか?
もし、そうだと思うなら、ぜひ「ヒーローズ・ジャーニー」を使って、自分の人生を見つめなおしてみてください。
あなたの「使命」はあなたにしか分かりません。
自分の人生の「主人公」になりましょう!!
今日もあなたを応援しています(*^^*)
[…] […]